キットカットガール

スラップ・ショットのキットカットガールのネタバレレビュー・内容・結末

スラップ・ショット(1977年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

正直、何を伝えたくて、何を目指しているのか全体的に分からない作品だった。落ち目のホッケーチームの復活劇なのはわかるけれど、ほぼ殴り合いで、スポーツ映画と言うべきなのかもよく分からない、何とも言えないストーリーだった。落ち目というよりも、もう希望すらないようなポール・ニューマン演じるゲスいコーチは、観ていて感情移入出来る要素は一切なかった。破茶滅茶とか破天荒とか、そんな可愛いものではなく、ただの.....にしか思えなかった。(文字にしたくなかったので伏字)

時折クスッと笑える箇所もあったけれど、
特に...という感じなのが本音の為、うーん。

しかし!!本当は1.9点にしようと考えていた本作に、ラストで大きな巻き返しがあった。
(あくまでも個人的な感想だけれども)
自分のチームの暴力的な試合スタイルに終始反対してきたネッドが行う氷上での華麗なストリップ。私自身、ウルトラ平和主義者な為、ずっと冷めた表情でベンチから試合を見ていたネッドにどちらかと言うと感情移入していた。勝ち負けに暴力なんて必要ないと、無駄に争わなくても物事は丸くなると、人に興奮も与えることだって出来ると、脇目も振らず奥さんへの愛でウキウキして氷上を駆け回るネッドが証明してくれた。その彼の姿が何とも可愛らしくて、この上なくきゅんとしてしまった。きっと、ずっとこの瞬間を待っていたんだなとほっこりした。
出口が見えず、ぐるぐる、どこかに行くわけでもなく、何のプランもなく回転扉の中にいるような、そんな絶望的状況にこういう形で光が入るのかと、このシーンはまさに扉が止まった瞬間だった。
本当に、このシーンはお気に入り。事実、このシーンのみ切り取ってブルーレイに保存してしまった。笑