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生きてるうちが花なのよ 死んだらそれまでよ党宣言のNのネタバレレビュー・内容・結末

4.2

このレビューはネタバレを含みます

一度聞いただけなのに忘れることがなかった本タイトル。柄本佑さんが好きな映画の一つに挙げていて、いつか見てみようと思ってたらGEOオンラインで遂に発見!

キャッチーなタイトルから、きっと軽やかなコメディだろうと思い、あらすじを読まずに観賞したのだけどそれが良かったのかもしれない。裏切られた!!!

冒頭、不良中学生が先生を拉致、車を乗っ取りグラウンドを暴走、そのまま校門を飛び出し信号無視で爆走...からのタイトルどーん❗️...ここからまさか社会問題にずぶずぶ斬り込んでいくとは思いもしなかった...。

警察とヤクザの癒着、アメリカ軍と沖縄人民の間で起こったコザ暴動、日本中の原発基地で転々と働く原発ジプシー、ピンはねされまくった給料と目に見えない放射能で化膿した膝、パスポートは取り上げられた上、三食カップ麺で生活する出稼ぎのフィリピン人女性。これでもかと言わんばかりのとんでもなくブラックな現実、社会の底辺に生きる人々が映し出され、圧倒される。が、とにかく演者が「生きている」事で救われ、押し潰されることもなかった。笑って泣いて怒って、生き生きとした生活がこの世界にあった。

したたかで思いやりのある倍賞美津子と、ふらふらしてるように見えるけど男らしくって愛情深い原田芳雄、二人の「会いたいよぉ」がほんとじわじわ来る...💧こんな場所でも人間らしく生きていくには、お互いを必要とする愛しかないのだとしみじみ...。フィリピンの子を送り出すラストの倍賞美津子の輝きもスゴかった。良い映画見たときの余韻が一日経っても続いてる。

それでもここに描かれた社会問題が、今でも普通に横たわっている現実に大きなやるせなさが残るのだけれど。。。。
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