ジュリアン・ムーアつながりで。トッド・ヘインズ監督作。
裕福な専業主婦のキャロル(ジュリアン・ムーア)がある日を機に化学物質過敏症らしい症状が悪化してしまうお話。
カリフォルニアのサンフェルナンド・バレーの豪邸で夫グレッグと夫の連れ子の10歳の男の子ロリーと暮らし、すべての家事はメイドのフルビア任せ。
届いたソファの色が違うとクレームし、エアロビに通い、親友の勧めでフルーツダイエットを始めたりの日々。
ある日、車の運転中に前を走るトラックの排煙を吸い込み激しく咳き込んで以来、化学物質過敏症らしい症状が悪化してしまう・・
医者もお手上げ状況となり、ジムにあったチラシで見つけた同じ症状に苦しむ人たちのための施設に入所するキャロル。
グル的な存在のピーターという男のやたら自信に満ちたトークに拍手する入所者たち。
果たしてそこはキャロルにとって「SAFE」な場所なのか・・・
1995年にこんなテーマの作品があったとは。今見た方がリアルに恐ろしい。。
柔軟剤などの香害や化学物質過敏症については、発症する人が増加傾向で、ある日突然、誰もが発症する可能性があるという現代の難題。化学物質だけでなく、心理要因などの複合的な要因など特定が難しく、治療法も確立されていないという。
先日見たテレビ番組では、学校や仕事をやめざるをえなくなった人や、対策を施した部屋からほとんど出れなくなってしまった女性が出ていました。。
このジャケ写は、キャロルと同じ施設に入所しているレスターという人物で、かなり重症の様子。歩き方も不思議で、本作の不気味さを象徴するように印象に残ります。
次第に悪化していくジュリアン・ムーアの演技が素晴らしい。ラストも秀逸。
『ケミカル・シンドローム』という邦題のVHS(レンタル)を探すなどしかアクセス出来ないのが残念。