タロウ

ライフ・イズ・ビューティフルのタロウのレビュー・感想・評価

4.9
『LIFE IS BEAUTIFUL/ライフ・イズ・ビューティフル』


天から降ってきた"お姫様"ドーラ(演: ニコレッタ・プラスキ)に一目惚れしたグイド(演: ロバルト・ベニーニ)。一目見てその美しさが頭から離れない!あの手この手を駆使して、ついに彼女が振り向いてくれた!
時は流れて、今日は一人息子ジョズエ(演: ジョルジオ・カンタリー二)の誕生日。ご馳走食べて、ジョズエはおばあちゃんにも初めて会える、そんな特別な一日になるはずだったこの日、彼らを飲み込みつつあった時代の荒波が勢いを増すこととなる、、

<コメディアンって本当に偉大>
 2022年一発目の映画にして今まで観てきた全ての映画含め、ダントツで満足感の得られた映画だった。傑作でした。
 話変わって、昨年は「お笑い」というジャンルに関心が増えた一年でだったのだが、自分でも詳しい理由は分からない。「表舞台で活躍している芸人さんってなんてカッコいいんだ」って憧れて過ごした一年だった。漫才日本一を決めるM-1グランプリ2021で優勝した錦鯉が披露した漫才の中で、ボケのまさのりさんがこの映画のタイトルを叫んだ。仰向けで観客席を向いて、だ。それを見て笑いながら「ライフ・イズ・ビューティフルって映画あったよな、、」と思い、今回鑑賞するに至る。

 グイドとドーラが結ばれるまでの前半は、コメディ全開の楽しい展開でMr.ビーンやチャップリンを思わせる。所々にちりばめられた細かな伏線がポンポン回収されてくのも、見ててワクワクする。
 が、後半は恐れていた展開に。時は第二次大戦下、ナチスドイツのユダヤ人差別がエスカレートし、グイドとジョズエ、それを追ってドーラも強制収容所で暮らす生活が始まる。
 ジョズエを不安にさせないために、グイドは「ここでゲームをして1000点集めたら本物の戦車が手に入るんだぞ!」と嘘をついて常に陽気に明るく振る舞う。二人と同じく連れてこられた人々の、暗く精気の感じられない様子とは打って変わって、ここに来る以前と何ら変わらないグイド。どんな状況でも常に愛する我が子を安心させよう、楽しませようっていう一心で嘘をつき続ける姿が、様々な状況・環境の中で笑いを取る芸人・コメディアンという職業と通じる所を感じて、グッとくるものがあった。収容所に連れてこられて早々、グイドがドイツ兵の言葉を翻訳して収容者、というよりジョズエに伝える場面は、普通に令和の今観ても声出して笑ったし、愛に溢れてる。

 そしてドイツが降伏。誰もいなくなった収容所で、ジョズエの前に現れたのは、、
 
memo
新年明けましておめでとうございます。
間違いなくこれまでのベスト3に入る印象的な映画で、2022年スタート。今年は去年以上に映画を観る年にする!
 
タロウ

タロウ