ふみを

ライフ・イズ・ビューティフルのふみをのレビュー・感想・評価

5.0
厨二病たる者、いくつになっても映画の主人公に憧れるもんで、その時々でジェダイやらウォンフェイフォンやらイーサンハントになりたい訳です。
しかし、心底に憧れ、人生の指針に置きたくなるような主人公はこの人だけです。(とても真似できないけど)

ノーテンキでおちゃらけで、悪口も言うし悪戯もする、でも人を民族ごと憎んだりしません。そして好きな人には全力で、いつも面白くて朗らかで…つまり生きる事にこのうえなく素直です。

物語のカギとなる沢山の小さな奇跡ですが、西欧的な神の愛というよりも、素直に生きる人間故に「天に愛されている」という感じで、僕ら日本人にもしっくりきます。

物語後半は、そんな主人公がたった一人の息子を守るために、全身全霊をかけて仕掛けるドッキリです。
結果として天が与える奇跡は、とてもとても小さな偶然です。しかしこの上なく素晴らしい奇跡なので、観る側には様々な複雑な想いが押し寄せて涙せずにはいられないです。

息子が主人公から受け取る愛は、息子が大人になるにつれて、家族愛だけでなく人間愛へと広がるものです。そんなすごい愛を次世代に与えられる主人公に憧れて止みません。

色々な映画を観ましたが、あまりの「感動」に大泣きしたのはこの映画だけです。この映画を観た事自体がライフイズビューティフルなのでしょう。
ふみを

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