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さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たちのSTAYGOLDぴあ映画生活のレビュー・感想・評価

4.9
ヤマトより愛をこめて
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ごめんね、雪。
さあ、行こう。
これがぼくらの結婚式だ。

世界が光につつまれて、やがて静かな時にもどる。やさしくながれるイントロ。ジュリーのささやくような声が聞こえたとき。

すでに決壊寸前だった瞳からは、だーっと目から塩水があふれ出し、それどころか鼻水までじゅるじゅるー。もうグチャグチャの状態でした…。あの時、私は小学生低学年。友達に見られないようにするのに必死だった。思えばあれが映画を見て初めての塩水大洪水体験。

私の映画人生、映画観は「さらば宇宙船ヤマト」から始まった気がします。だから、たぶん愛を感じる映画にはひとより感応する幅が厳しくなってしまうのかなぁ。

三つ子の魂百まで。
雀百まで踊り忘れず。
昔のひとは良く言ったものだ。

愛するひとを守るために戦う。今のご時世で考えると一歩間違えると危ないテーマです。ヤマト自体が危険なテーマ満載かもな。まあね。幼い頃は純粋に感動し、そうだよ、みんなで地球を守るんだ!と思っていましたから。

東京に出た当時はまだおおらかな時代で、新宿で主題歌大音量でかけて走り回っている車を見て、おおおっと思ったものです。色んな意味で危うい。まー、最近見かけないな。

森雪が大好きでした。だから古代進がとてもうらやましかった。うまいことやりやがってって妬んで、いやあ、ませたガキだなー。

コスモタイガー隊も好きでした。出撃のBGM最高。加藤。山本。一緒に戦いてー。ついさっきまで身近にいた仲間が一人、二人と失われていく。それが、せつなくて、かなしくて。どうしょうもなくて。

色んな想いでぱんぱんに張ってたこころは、冒頭の古代のモノローグではじけて。想いの全てがあふれ出した。そんな塩水初体験でした。

正直、色んな部分で影響されたし、今の自分の背骨です。一度だけ「旅立つ前の古代と雪のシーン」をオマージュしてシナリオとコンテを切ったことも。それぐらい愛してまーす!

まあ、商業的な部分では、本作まではN氏のチカラも認めてあげたいかな。それ以後は全部アウトですがー。

なんやかんや行っても、結局は一言。
やっぱりヤマトは「漢の浪漫」だぜ!!

歴史は繰り返されて伝説へと昇華する。

いつだって答えは 遥か彼方にある
それが映画なのです。感謝。

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