おとうちゃん

日本の黒い夏 冤罪のおとうちゃんのレビュー・感想・評価

日本の黒い夏 冤罪(2000年製作の映画)
3.5
最初から犯人扱いだった!

平凡な会社員の生活を黒く塗りつぶしたのは、マスコミと警察そして私たち市民。

1994年6月27日、オウム真理教による松本サリン事件において、事件の第一通報者でありながら最有力容疑者とみなされ全国に報道を受けた河野義行さんを題材にしたドキュメンタリー仕様の映画だが、何故か河野さんの名前は神部さんに変えられている🙄オトナノツゴウ⁉︎

冤罪事件を扱った『リチャード・ジュエル』のコメントでmakoさんに紹介してもらった映画🙋‍♂️アリガトウ

同じ冤罪事件を扱った映画でも容疑者目線でエンタメに徹した『リチャード・ジュエル』に比べ、本作はマスコミ目線のドキュメンタリー仕様。

事件を出来るだけ正確に伝える為か淡々とした印象の本作と、多少イメージが変わってもインパクトのある映像を使って興行収入を上げようとするアメリカ。
当時の日本とアメリカの映画に対する姿勢の差がFilmarks評価にも現れている。

妻は意識不明の植物状態、自身も歩く事もままならない。
最悪の体調で事情聴取という名の尋問を受ける神部さん。
家に石を投げられ、脅迫電話や脅迫文が引っ切りなし。
完全に犯人扱いしているメディアの報道。

私めも この時の報道を見て、彼以外に犯人は考えられないと思ってしまった。
あれ以来、メディアの報道は安易に信じないようにしている。

マスコミと警察のメンツが作り上げた冤罪…人はそれを悲劇という。

冤罪と分かった時点で新聞メディアは挙って謝罪文を掲載したが、犯人と決め付け尋問を繰り返した警察からは公式の謝罪は26年経った今も無い。