なんて愛おしい映画なんだ
今年の夏も終わりそうなので、締めくくりにこれを。
やっぱり今観てもたけし映画の演出って衝撃的だよ。結局こんな革命的なことしたのに誰も、少なくとも日本映画には後進が今のところいない。そりゃそうだ。安易に真似しようもない。
ドキュメンタリーかのように撮られた画をギリギリのラインでフィクションにしている感じ。無名だが光り輝く新人俳優たちの煌めきと共に。
冒頭、折れて捨てられたサーフボードを拾うところから既にグッとくる。まるで墓石のようなそのサーフボードを手にした途端、虜になってしまう。
その夏、最高の青春を過ごした彼は、海に魅せられいなくなってしまう。
バスのシーンが秀逸。サーフボードのせいでバスに乗れない真木蔵人。彼女は、歩いている彼に悪いと思っているのか車内がガラガラでも座らない。思わず止めて降りて反対に走り出す。その後の二人とサーフィンの関係を象徴する。
まあ静かな、って言う割には久石譲の音楽がうるさかった気もするけど。
【一番好きなシーン】
真木蔵人がふざけて書いたエントリーシートを書き直してあげるところ。泣いちゃう。