鮮烈だった…
大好きな北野映画なのに、苦手な恋愛ジャンルだから、ずーっと鑑賞を先延ばしにしてきた
反則技かも知れないが、先に久石譲の劇中音楽を聴いて耳慣れ親近感をつけて、本当に北野映画に飢えたタイミングで観た
やられた…自分には傑作だった‼
恋愛だけでなく、障害者の目線という深いテーマもあり、極端にセリフが少なく、美しい写真のような映像でストーリーが織りなされている
そこに切ない音楽が重なり、余り泣かなくなった自分だが堪えきれず涙した…初めて片目からだけ涙が頬をつたった
早く観ておけば…そんな思いはない・・・今だから良かったと強く感じる
北野武監督はデビュー作の傑作バイオレンス"その男、凶暴につき"とは真逆と言っていいジャンルで、こんな傑作を撮ってたとは…本当に凄い…
自分が優しく良い人間と思っていても健康体・健常者だから美しい心が宿ってるとは限らない…正直、視点や感覚の違いは完全には分からないが・・・「自分は優しい人間だから分かるよ」ってのは欺瞞で、そんな浅はかな気持ちじゃ、いずれはお互いに心がすれ違うだろう
お互い"尊重して思いやる"事でしか寄り添えないのかも知れない…
一般的なワクワク ドキドキ 甘くウットリなんて恋愛映画じゃない…そういうノリが欲しい人は違う恋愛映画を観た方が良いだろう
PS:後の映画『TAKESHIS.』では、「そう言えば、彼は本格的な恋愛映画を撮った事が無い…そうだ」ってナレーションがあるが、本作のように既に撮っている・・・たけし自身が主演してないって意味かな