りょうた

あの夏、いちばん静かな海。のりょうたのレビュー・感想・評価

4.5
ゴミ収集の仕事をするシゲルはある日ゴミ捨て場で折れたサーフボードを見つけ、修理をしてサーフィンを始める。愚直であり、それでいてクールなシゲルは、毎日練習を繰り返し、人を惹きつけて行く。

主人公のシゲルやヒロインは言葉を発することなく映画が終わる。殆どの映画では登場人物や設定を会話によって描き出すが、この映画ではその都合的な使い方をしない。ジム・ジャームッシュはその都合的な使い方を避け、本来の会話に近い存在として、味わい深いものとして使った。北野武監督のこの作品は、逆に使わないことで避けたのだと思う。

描写で人間模様や状況を描けば、見る人によって変わる作品になるだろう。

エントリーシートで身長420センチ、親ゴルバチョフ、自ら作り出したクラスCなど、クールなシゲルが書くからこそ、ギャップで可笑しさが増している気がする。

前述したが、ジム・ジャームッシュの作風に似た印象を受けた。
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