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ゼイリブのmanicureのレビュー・感想・評価

ゼイリブ(1988年製作の映画)
3.0
レーガン大統領の快楽主義を主張し社会をよくを批判するジョン・カーペンターのメッセージが一番ストレートに伝わっている作品。レーガンの時代が終わって30年以上経ちましたが、カーペーンターが描いたディストピアが現実になりつつある。

サングラスから見えてきた世界は、1950年代のSF映画やフリッツ・ラングの「メトロポリス」へのオマージュにしか思えない。”OBEY”の看板の前でスピーチしている政治家のコマは誰もが見たことがあると思う。この作品の宇宙人はただのボディ・スナッチャーではなく、メディアで労働者階級を洗脳して奴隷として扱っている支配階級のメタファーになっている。

B級のアクション映画のつもりかもしれないが、どちらかというとクサいセリフが詰まったコメディのイメージの方が強い。ナダとフランクの無意味な6分間のストリート大乱闘シーンは特に印象深かった。現実に目を向かせるのはこんなに大変なんだね!! 皮肉なエンディングにもかなり満足。

80年代のチープさが良い意味で出ている作品。ただ、プロレスに労働者階級を代表してもらうのはどうなの??(笑)
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