冬のナマズ

妻よ薔薇のやうにの冬のナマズのレビュー・感想・評価

妻よ薔薇のやうに(1935年製作の映画)
4.4
一つの情景を二重化させる、成瀬の比類なき超絶技巧は『浮雲』などにも認められる。

本作ではズーム・イン/アウト(つまり回想の可能/不可能)の対比によって、それを演出する。遠く離れた父親に、娘は思いを馳せることができるのに対して、母親=正妻は彼との距離を縮めることは疎か、せっかくの想像力を働きかけることさえできはしない。
冬のナマズ

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