アバダケダブラ屋

妻よ薔薇のやうにのアバダケダブラ屋のレビュー・感想・評価

妻よ薔薇のやうに(1935年製作の映画)
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閉ざされから開かれへ。それは東京から長野への旅が契機となって。ラストともリンクする。屋内のカットから、山のカットへ。

「母さんの負けだわ」
結局女は男に選ばれることしかできないという。主体と客体。あまりに悲劇。

視覚的な隔絶と聴覚的な密接の共存。

りんごの皮を剥きながらの回想シーン(長野への旅)。皮を剥くという行為と君子自身の変化が重なる。

薔薇は美しい。されど棘があるという