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生きものの記録のtのレビュー・感想・評価

生きものの記録(1955年製作の映画)
4.1
2015/11/24@ シネマヴェーラ

第五福竜丸事件などによる原水爆への恐怖感を背景に製作された、60年前の作品。
核を恐れてブラジルに移住計画を立てる偏屈な老人(自分の倍の年齢の役柄を演じる三船敏郎が見事)とその巻き添えを食う家族の論争を描く。
軽快なタッチで、非常に分かり易く観客に「考えさせる」つくりとなっているが、ラスト、病院のシークエンスの突き放し方には鳥肌。そして個々のキャラクターの立て方が明快ゆえ普遍性を獲得しており、相当説得力ある仕上がりになっていると感じる。
原発や憲法問題等、非常事態が当たり前になっている今、改めて観る価値ある映画。
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