tjrさんの映画レビュー・感想・評価

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2017未登録 ムーラー「マルセル」「チコレ」「ベルンハルト・ルジンブール」「灰色の領域」「われら山人たち」「緑の山」堀禎一「天竜区奥領家大沢 別所製茶工場」後藤大輔「野川」梅澤薫「引き裂かれたブルーフィルム」

湯殿山麓呪い村(1984年製作の映画)

3.5

即身仏カルトミステリー。限りなく全員黒いのに雪山は残酷なまでに白い。中川梨絵が物々しいお屋敷の女中をしており否応無く「女地獄 森は濡れた」の記憶が蘇ってくる。前半の食卓シーン、やたらロングショットから>>続きを読む

2/デュオ(1997年製作の映画)

4.0

虚像を捨て去る、依存関係を断ち切る、主体の無いデュオからソロありきのデュオへ変化する、古典的とも取れる割れた鏡という演出は示唆に富んでいて、今も昔も映画にとって重要なのだという雑感。
特にホームパーテ
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広島からの手紙/AFTER WAR(2002年製作の映画)

4.0

ロバート・クレイマーから送られた広島についてのテキストから派生した監督の随想?ここでも悲惨な過去としての歴史ではなく、これから更新されて行く歴史への眼差しがある。日本人から、韓国人からの証言が広島とい>>続きを読む

H story(2001年製作の映画)

5.0

女優としての「I=自己」無き「歴史」の再生、すなわち名作焼き直しの撮影風景を経て、現代の「ヒロシマ・モナムール」が立ち現れ異国の地でIが復権されるまでのドキュメント。映画を作ること、孤独と他者に向き合>>続きを読む

キングスマン:ゴールデン・サークル(2017年製作の映画)

3.5

とても面白いが、前作で強調された「英国紳士としての矜持」が薄まる結果、全体としても弱くなったような。英米対決はもっと上手く活かせそうな。SNS、ティンダー、ドローン、(トランプ?)等詰め込んでて今っぽ>>続きを読む

死霊の罠(1988年製作の映画)

4.0

フーパー、カーペンター、クローネンバーグに肉薄した和製スプラッタ。殺し方がバリエーションに富んでいて楽しい。特にボーガンからの振り子はナイス。変に濡れ場が多く主人公の女性が名美、男がヒデキ≒村木だし不>>続きを読む

ボウイ&キーチ(1974年製作の映画)

4.5

左方向へ移動していく車と2人の男が漕ぐ小舟が合流し、運転手の馬鹿話を黙らせ強盗たちの冒険が始まる、至高のオープニング。キース・キャラダインとシェリー・デュヴァルの逃避行だけでも素晴らしいのに、ラジオと>>続きを読む

お琴と佐助(1961年製作の映画)

4.5

「春琴抄」は谷崎の中でも特に好きなので粗筋だけで涙ぐんでしまう。それだけでなく、引きの画を基本としていかに切り返さない/切り返すかの選択(盲目の切り返しという身振り)、手で触れることへの意識(爪を切る>>続きを読む

皆殺しの天使(1962年製作の映画)

4.0

初めて観た時ほど衝撃はなかったがやっば面白い。映画館で観てると自分たちもこの後出れなくなるんじゃないかという不安が高まる。
序盤にマイク?がもろ映り込んでるがあれは演出じゃないですよね。
アダムスファ
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ゴダールの探偵(1985年製作の映画)

3.5

ノワールやメロドラマの空気が管弦楽の断片に乗って去来するが、まあよく分からない。ただ16歳のジュリー・デルピーがクラリネット吹くのを見れる!あとエマニュエル・セニエのトップレス…
ボクシング、監視カメ
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見知らぬ乗客(1951年製作の映画)

4.5

丁寧に積み上げたプロットを一気に破壊するかのような回転木馬シーンが最高だった。ママのくれた名前入りネクタイを身に付けるロバート・ウォーカー。冒頭の押しの強さに始まりテニス試合の客席や遠巻きのシルエット>>続きを読む

白い娼婦 花芯のたかまり(1974年製作の映画)

4.0

白くすることを生業とするクリーニング屋の少年が「汚す」ことへ執着するまで。高級娼婦・山科ゆりの白いドレス、倒錯した不具者の兄、闇に浮かぶダッチワイフ。芹明香の「甘ったれんじゃないよ」が聞ける。神田川?>>続きを読む

グリード(1924年製作の映画)

4.0

際限ない欲望は歯医者として女の口を覗くことに始まり荒涼とした砂漠にあっても消えることはない。9時間という尺は映画の沼に迷い込んだシュトロハイム自身の体現でもある

リトル・ショップ・オブ・ホラーズ(1960年製作の映画)

4.0

全員頭がおかしい。食花男、サディスト歯科医、マゾヒスト患者(ジャックニコルソン)など。刑事2人の最初のやり取りに痺れる。

嘆きの天使(1930年製作の映画)

5.0

「歌をやめた」鳥が暖炉に放り込まれ授業中に窓を開け女声合唱を引き入れる教師が自らコケッコーと発声するまで。教壇もステージも衆目を集める場だがその意味合いは全く異なる。かつて螺旋階段の上に運命の女を求め>>続きを読む

私は告白する(1953年製作の映画)

4.0

面白かった。職業倫理と法制度の葛藤。I confessのIがどのキャラクターにも当てはめられるのが良い。いかにも脚本の映画という感じだが、あそこでステージ出してくれるのは嬉しい。

喜劇 とんかつ一代(1963年製作の映画)

4.0

かなり複雑な人間関係。役者陣の上手さと川島雄三流の構図美学で多少すべっても気にならない。何より圧倒的景気の良さ。
フランキー堺と団令子が逢い引きするシーンはどれも相当ワイセツだと思う。クロレラ・マッド
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デブ君の入婿(1917年製作の映画)

3.5

なかなか破壊的。頭を打たれて星が回る描写とかヅラいじりとか10年代からあったんだ

あれ(1927年製作の映画)

4.5

他愛のないロマンティックコメディだが、結局こういうシンプルさにこそ惹かれるのかもしれない。全く知らない監督だが短時間で無駄なく語る黄金期の至芸を感じる。
IT=セックスアピール?を振りまくクララ・ボウ
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キートンの大列車追跡/キートン将軍/キートンの大列車強盗(1926年製作の映画)

4.0

転落シーンが特に凄いが、総じて金がかかっている。ラストがキュートだが、またあそこで車輪が回り始めて欲しいところ

キートンのコニー・アイランド/デブ君の浜遊び(1917年製作の映画)

4.0

男3女2で遊園地ドタバタ。面白い。キートンが喜怒哀楽を見せる。アーバックルの女装も良いが、終盤のあの泳ぎ方は何なんだ。
セーフガードの1人に異様な頭身の男がいた。

真紅の盗賊(1952年製作の映画)

4.4

なんて楽しいんだ…サーカス出身のバート・ランカスターとニック・クラヴァットのコンビが織り成す痛快海賊活劇。2人の身体能力と市街地を縦横無尽に活かした逃走シーン、逆さの舟がが歩くシーン、船上乱闘でのダイ>>続きを読む

ゴングなき戦い(1972年製作の映画)

4.0

30前にとても見えないステイシー・キーチの禿げ上がりようとカウンターでのラストシークエンスにただならぬ情感が宿る。30歳になったらまた観る。

勇者の赤いバッヂ(1950年製作の映画)

4.2

70分の中で戦争映画に求めるほとんどが網羅されている。遠くから徐々に近付いてくる顔の見えない敵軍たち、不安と焦燥に駆られるオーディ・マーフィの顔面、ハロルド・ロッソンの撮る前線の苛烈さ。

柔道龍虎房(2004年製作の映画)

4.3

観た直後にまた観たくなる種の傑作。3人がクラブで出会う辺りまでの荒唐無稽ぶりに唖然とする。アカペラで歌われる姿三四郎のテーマ曲に徐々に感動が込み上げて来る。
チェリー・インが夜の街を行き来するあたりや
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忘れられた罪の島(1943年製作の映画)

3.4

潜水シーンがウリなのか長時間割かれているが低予算の限界感ある。全体的にあまり面白くはないが、ジョン・キャラダインの顔面、「青い青い海」+「タブウ」のような島での歌唱シーンなど良かった。

奇妙な幻影(1945年製作の映画)

3.9

エディプスコンプレックスみたいな心理ドラマかと思いきや活劇的かつサスペンスが効いており、その淀みない語り口であっという間に終わる。
自分から精神病院に幽閉されにいく主人公。年齢関わらず少女たちへの欲望
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ファッティとキートンのおかしな肉屋/デブ君の女装(1917年製作の映画)

3.8

肉屋シークエンスでのデブ君の手さばき、包丁(放り投げると必ず定位置に落ちる)に見惚れる。後半は女装そのものというより、扉を開けると即犬が襲いかかって来る仕掛けが楽しい。小麦粉バトルで真っ白になっていく>>続きを読む

三十九夜(1935年製作の映画)

4.0

女に巻き込まれた男がまた他の女を巻き込むっていう。主人公はアイデンティティすら無いかのように変装し、偽名を使い、別の身分の人間を演じ続ける。たかが映画、の恐ろしさ。
マデリーン・キャロルの手錠プレイや
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第3逃亡者(1937年製作の映画)

3.6

ポンコツ車と助手席の犬。ミンストレルショウのドラマーへ迫るダイナミックさ。巻き込まれてるのにお気楽な雰囲気。ドタバタしていてまあ楽しい。

勝手にふるえてろ(2017年製作の映画)

4.4

瀬々監督がその演技力を杉村春子の円熟になぞらえた松岡茉優の魅力が200%発揮されており、あまりにも最高であることは大前提とする。
図式的すぎるかもだがイチ≒外の世界≒理想化された過去≒アンモナイトに対
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奇妙な女(1946年製作の映画)

4.0

川へ友人を落とす幼少期から悪女としての宿命論が起動する。物理的に落とす、そして自ら落ちるっていうのは「哀愁の湖」のジーン・ティアニーと同じだが、男を利用して第三者を落とさせるという点で悪女としてより格>>続きを読む

恐怖のまわり道(1945年製作の映画)

4.1

1時間ちょっとでここまで語られてしまうとお得感さえある。強すぎる目力で登場し変貌していくアン・サヴェージと、演奏中も鍵盤を見ず終始焦燥漂うトム・ニールによる地獄のドライブ。モノローグが行き着く先は電話>>続きを読む

あした晴れるか(1960年製作の映画)

4.0

芦川いづみ最高な幸せスクリューボール。八百屋から軽トラで移動するオープニングや、1カットの中で名刺がグラスに落ちる、西村晃が煙草を逆に咥える、みたいなのが続く1カットの豊かさ、青果を上手く使った拷問/>>続きを読む

ジェーン・ドウの解剖(2016年製作の映画)

3.6

冒頭からカットのシャープさやカメラを下手に動かさない姿勢で好感。死体そのものは動かず、常にそこにあって、解剖によって核心に迫っていく構成も良い。鈴の音の接近も。
説明的になるにつれ尻すぼみ感が増す。父
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