tさんの映画レビュー・感想・評価

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映画(2394)
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脱獄広島殺人囚(1974年製作の映画)

4.0

刑期が延びようと何度も脱獄を試みる松方弘樹に、自由に対する人間の本能的渇望を見る。監視塔近くの脱獄プロセスを遠目フィックスで撮るショットが印象的であった。『北陸代理戦争』で松方弘樹はカニをかじっていた>>続きを読む

ペギー・スーの結婚(1986年製作の映画)

4.0

理想的な同窓会シーン(直撃インタビュー有、当時の写真大写し有、シャボン玉有)から始まるタイムリープ映画で、題材にしては地味だが、アンチヘミングウェイ文学青年との夜の一幕、ガリ勉博士キャラとの密約等、当>>続きを読む

血ぬられた墓標(1960年製作の映画)

4.0

魔女狩り×屋敷もの。装着すると顔面貫通する針付き仮面という禍々しいデバイスや相変わらずのムード充満ぶりに気分が高まる。バーバラ・スティールのライトモチーフとして何度も流れる音楽がかなりの名曲でメロドラ>>続きを読む

Four Times That Night(英題)(1971年製作の映画)

3.5

ある男女の一夜を、顔面の傷痕を軸に4つの視点から描くコメディ。ポスト・トゥルースだ。中央にブランコの吊るされた男の部屋、円筒みたいなオブジェが天井から下がってるナイトクラブ、アブノーマルなパーティ会場>>続きを読む

呪いの館(1966年製作の映画)

4.0

屋敷ものホラーの照明・色調はこれしか無い!という感さえしてくる抜群のムード。4人で棺を運ぶロングショット、扉を開くたび同じ部屋に出るくだり。エバーグリーンな絶叫に始まる冒頭。落下して柵の先端で身体をぶ>>続きを読む

血みどろの入江(1970年製作の映画)

4.0

プリミティブな打楽器基調の音楽が殺人を盛り上げる。人が死ぬ度入江の静かな風景にカットしたり過剰にセンチメンタルな音楽が流れたりする。無軌道な若者のステレオ描写が最高!3度現れる貫通のテーマ(うち一回は>>続きを読む

文学賞殺人事件 大いなる助走(1989年製作の映画)

5.0

筒井康隆のアイロニーを映像で表現し尽くした則文の傑作。強烈な役者陣を経由する度、狂った文壇の世界で際限無く高まり続ける熱量。面白すぎて胸が苦しくなった。

殺し屋人別帳(1970年製作の映画)

3.5

頭痛、子守唄、口笛をきっかけに人を殺し始める変な九州の殺し屋がたくさん出てきて楽しい。スタンダードやくざ物に輝男的演出(下半身露出、流血量、アラカン用法etc)が添えられるも東映の過渡期を強く感じさせ>>続きを読む

ファミリー・プロット(1976年製作の映画)

4.0

似非スピリチュアルカップルと誘拐脅迫カップルの頂上決戦。胡散臭い人間しか出てこないし「どうせなら犯人は若い女性が良い」と言い放つ被害者のオッサンや、爆音で音楽を流しながら墓石彫りするギャルなども良い。>>続きを読む

彼方からの手紙(2008年製作の映画)

4.0

人生に迷った不動産会社員とかつての住まいを探す少女が出会い旅に出る。しりとり、車窓から見えるものを呼ぶこと、言葉遊びで浮かぶ無数のイメージ。冒頭で階段に投げられたボールがラストの切り返しと接続する時の>>続きを読む

フレンジー(1972年製作の映画)

4.5

面白かった…群衆の俯瞰→テムズ河に浮かぶ絞殺死体発見から高揚、西村賢太的プロファイルなジョン・フィンチの荒くれ仕草(シャインマスカット踏み潰し、グラス破壊)に結婚相談所の元妻押し掛け、異常性愛殺人へ巻>>続きを読む

裏切りの街角(1949年製作の映画)

4.0

煙の中での強盗時攻防、病院での鏡越しの演出など素晴らしいが、何と言っても元妻への未練や終盤の展開などバート・ランカスターを通して男の弱さを描いているのが良い。

桃太郎 海の神兵(1945年製作の映画)

4.0

動物たちがお国の為に勤労奉仕するプロパガンダ版「あつ森」。テーマは醜悪そのものだが、特に前半のぬめりと躍動する動物たちの無意味な時間が最高。五十音ミュージカルナンバーの狂気。桃太郎の冷徹な眼差しが忘れ>>続きを読む

クラッシュ(1996年製作の映画)

4.0

フィルメックスで鑑賞。後年の『コズモポリス』が車中で完結していたように、本作に出てくるどの男女も車を媒介に狂ったように欲情しており、この反応がスタンダードな世界を形成している。死のオーガズムに向かう無>>続きを読む

人体模型の夜(1996年製作の映画)

4.0

香料研究で嗅覚が発達し過ぎた女、夢精親子、盗聴マニアの男等が住むマンション(勝どきあたり?)嫌すぎる。佐藤寿保まだそんなに観てないが『狂った舞踏会』のホルマリン漬け腕みたく義手が出てくるし、スプレーを>>続きを読む

D.I.(2001年製作の映画)

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途中寝てしまって気づいたら覆面女性が大暴れしていた。よく分からなかった…
前半オフスクリーン演出の手本みたいなシーンが続出していた気がする

ザ・ハント(2020年製作の映画)

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このご時世で分断助長してきて笑えたが、とにかくベティ・ギルピンさんの格好良さに尽きる。リベラルエリートへの揶揄が楽しく、ラスト近くで明らかになる事実は中立的立場へのせめてもの脚本上配慮なのだろうが、カ>>続きを読む

空に住む(2020年製作の映画)

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渋谷のタワマンに住む浮遊感(感情と表出の乖離)、零細出版社で働く現実感(同僚の妊娠や不倫)の対比、それらを繋ぐ猫と階段という話は文学的に面白かったが、映画演出が優れていたのかというと不明。2020年の>>続きを読む

マディソン郡の橋(1995年製作の映画)

4.0

4日限定有閑マダムの冒険。雨でぼやけた車窓越しの一連の流れ、これが演出だという凄味を感じる。ジョニー・ハートマンの歌うI set your face before meでダンスを始めるシーンなどイース>>続きを読む

団地妻 白昼の不倫(1997年製作の映画)

4.0

夜景バックの切り返しと自転車でのすれ違いに泣かされる。切り返し職人サトウトシキ。「つまんない」「ふろ」「今日もがんばるぞ」といった台詞の反復、終わりなき団地の日常。水たまりを飛び越せない葉月蛍、濱口竜>>続きを読む

逃げた女(2019年製作の映画)

3.5

『Grass』みたく、キムミニが3人の先輩のトラブルを目撃してしまう。監視カメラ、インターホンのモニター、映画のスクリーンと、画面の主題が3者を貫いているように思えるが…?1人目のエピソードが猫や鶏も>>続きを読む

(生)盗聴リポート 痴話(1993年製作の映画)

5.0

震え上がるような傑作。世紀末サイケな空気。盗聴器、「ビデオドラッグ」、公衆電話、ポラロイドカメラ、ゴーグル、「念写」…視聴覚に訴えかけるヤバい装置の数々。自分の体内に別の人間がいるという根源的不安、「>>続きを読む

The Lottery(1969年製作の映画)

4.0

ほぼくじ引きと円形に集まった無数の顔面だけで構成されるがそれだけで面白い。群衆狂気は日常の延長であることが強調される

ホット・スポット(1991年製作の映画)

5.0

最高の映画。田舎と犯罪と男と女。オールタイムベスト

ブルース・ダーンの ザ・ツイスト(1976年製作の映画)

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シャブロル自身が映画史上最低の出来と評した反応に困るコメディ。金のために撮ったらしい。確かにアレだが、『破局』のように幻覚を見る色情狂まがいのステファーヌ・オードランが良い。

邪願霊(1988年製作の映画)

4.0

アイドル新曲製作の裏側を追う疑似ドキュメンタリーで、作曲者不詳の曲名が『ラヴ・クラフト』。この尺にして爆破倒壊あり、PVの廃墟じみたロケーションなど満足度高し。脈絡なく挟まれる水野晴郎の小噺が最高

赤ちょうちん(1974年製作の映画)

3.0

引っ越し(事故物件)映画。相変わらずの藤田敏八的ダルさだが鶏肉的・眼球的衝撃が挿入され謎の後味を残す。小松方正・山科ゆり・長門裕之(桑田佳祐)・樹木希林が良い

スパイの妻(2020年製作の映画)

3.5

男女関係の危うさを強調するような濱口らしい脚本と、『カリスマ』を彷彿とさせる黒沢清らしい演出、主演2人の演技、NHK製作による思惑?などいずれもアクが強く、それらが上手く噛み合ってるとはあまり思えず「>>続きを読む

犯罪王ディリンジャー(1945年製作の映画)

3.5

スピーディな映画は好きだがここまで速いと呆気なさが残る。犯罪王という割に7ドル窃盗で捕まったり嫌味言った店員にリベンジするなど小物感が光る。映画館やクリスマスでの時間の省略ぶり、銃もどきからの…や残金>>続きを読む

世界詐欺物語(1964年製作の映画)

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盗難、偽装結婚、騙詐、贋札。自分が観たバージョンだとポランスキーパートが監督の意向でカットされていてここにクレジットされていないゴダールパート(『立派な詐欺師』)が含まれていた。カメラを持ったジーンセ>>続きを読む

灰とダイヤモンド(1957年製作の映画)

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何となく苦手意識があり全く観てなかったワイダ、やはりあまり面白いとは思えなかったが、夜が更けるほど盛り上がってくる。花火の瞬間は高揚せざるを得ないし、夜明けの光の中で強制的に『軍隊ポロネーズ』を演奏さ>>続きを読む

さらば愛しき大地(1982年製作の映画)

4.5

ダンプ・田畑・ドラッグと時折挟まれる鮮烈なイメージ(入水、スイカ、羽毛、蛆虫…)が織り成す80s田舎映画の傑作。田村正毅の撮る鹿島の風景に鳥肌。心理の閉塞感と画の開放感は両立するしむしろ両立していなけ>>続きを読む

嵐を呼ぶ男(1966年製作の映画)

3.5

芦川いづみファン的には裕次郎版で添え物的扱いだった彼女が北原三枝の敏腕マネージャーポジションに移行して嬉しい。あのガチャピン色のワンピースを着こなせるのはいづみ(31歳)くらいではないか。苦虫を噛み潰>>続きを読む

嵐を呼ぶ男(1957年製作の映画)

4.0

演奏する身としては業界の景気の良さやドラム含め深夜音出し可物件が羨ましい。新聞紙面で野球・相撲・流行歌と並んでジャズミュージシャンのランキングが発表されてたってマジですか。ドラム対決なのに歌い始める裕>>続きを読む

フューネラル(1996年製作の映画)

3.5

99分で豪華キャストなマフィア一家のドラマを語るのも難しく強烈なクリス・ペンばかりに焦点が当たってる印象が残るもあの幕切れには満足。ビリー・ホリデイのGloomy Sundayと葬式で始まる。

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