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デスプルーフ in グラインドハウスのEyesworthのレビュー・感想・評価

4.8
【イカれたスタントマンと死の攻防!】

クエンティン・タランティーノ監督が企画映画グラインド・ハウス内で制作したド派手なカーアクション作品。グラインドハウスとは、エクスプロイテーション映画やB級映画等を2、3本上映していたアメリカの映画館のことだ。
本編『グラインド・ハウス』では、ロバート・ロドリゲス監督の『プラネット in グラインドハウス』と二本立ての映画のうちの一つになっており、予告編も5本収録されていたので、当時のグラインドハウスの雰囲気が存分に味わえる構成になっているようだ。
今回はこちらのみ単品で鑑賞した。

〈あらすじ〉
いつもの仲良し女3人組がバーに向かう。そこに、不気味なシボレーに乗った傷のある中年男スタントマン・マイク(カート・ラッセル)がバーに現れた。マイクは女性客の一人を助手席に乗せて送ることに。その車はカーアクションのための耐死仕様(デス・プルーフ)となっており、スタントマンである彼はそれに乗った瞬間本性を露にして、恐ろしい殺人事件(事故)を起こす。それから14ヶ月後、テネシー州で映画撮影に携わる4人の女達の近くにもマイクの姿が。彼女らはデス・プルーフの残忍な容赦ない攻撃を凌ぐことはできるのか…?

〈所感〉
グラインド・ハウスの企画のうちの一本であり、もう片方は見ていないが、こちらのみでも十分当時のグラインドハウスを堪能できる。映像を敢えて当時の質の悪さにしたり、一瞬画面が途切れたり、B級映画愛の強いタランティーノの持ち味が存分に発揮されていて、展開こそ単調なB級映画であるものの、そこに至る過程の描き方がA級の面白さだと感じた。前半の女の子たちの犬も食わないガールズトークからのあの惨劇。後半の女の子達の犬も食わないガールズトークからのあの起死回生。そして、THE ENDが綺麗に炸裂した。命懸けのスタントマン達は生と死の狭間におり、それをも楽しめる特異な人種であると感心した。
何よりカーチェイスがどの作品よりも見応えがあり、めちゃくちゃ面白かった。
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