ちゃむ

プラダを着た悪魔のちゃむのレビュー・感想・評価

プラダを着た悪魔(2006年製作の映画)
3.7
定番すぎて逆に観てなかったやつ。
単純なキラキラサクセスストーリーかと思っていたが、意外にも考えさせられる点が多い。

前半では、駆け出し新人の仕事への向き合い方が問われる。だれもが最初から望む仕事をさせてもらえる訳はない。与えられた場で、いま自分ができる全力を尽くす。そうすれば、どこかで次への扉が開くはず。

だが後半では、「自ら決断すること」もテーマとして現れる。ミランダたちの仕事は、「誰もが望む」仕事だ。しかしどこまでも、「アンディが」望む仕事ではなかった。それを自覚したとき、自らの手で次の道を切り拓けるか。過去の自分の努力・現在の地位を壊す勇気を持てるか。自分が何者であるかは、結局自分自身が決めなければならない。

アンディは、「自分のために」決断できた。その点、ミランダはアンディと通ずるものを感じる。だからこそ、道は違えど、2人は互いを尊重し合うことができた。のだと思う。

おしゃれは何のためにするか?
これも、本作のテーマの1つと思われる。友人の言葉、「アクセサリーは利便性のためにつけるんじゃない。アイデンティティそのものだ。」これが本質だろう。
おしゃれは、人を見下すためにするものじゃない。でも、服装に気を遣わないことを美学とするのも間違ってる。
アンディは最後に、自分らしい装いを見つけた。ハイブランドを着こなすアンハサウェイも可愛かったけど、自分自身を見つけたアンディもまた素敵。
ちゃむ

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