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プラダを着た悪魔のヒモのネタバレレビュー・内容・結末

プラダを着た悪魔(2006年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

大筋は女性のキャリアと人生を描いているのだと思うが、マイインターンと同時期に見たせいか昭和後期〜平成初期のジェンダー観に即したご都合ハッピーエンドに見えてしまったのが残念だった。

マイインターンやクルエラを先に見てしまったのが問題だったと思うのだが、プラダを着た悪魔が女性が主体な、カッコいい仕事が出来る女性を描いているかと言われたら少し疑問符を浮かべてしまう。
主人公が段々求める以上の仕事ができるようになりミランダに認められていく姿は確かにカッコよくて爽快感があるが、物語の重要な仕事が出来るシーンを担っていたのは彼女に対して優しい男性で、肝心のミランダは厳しい面ばかりが前に出過ぎていて、「彼女の功績であるランウェイ誌」への彼女の貢献と仕事ぶりが台詞以外から伝わってこなかったのが残念。また主人公もミランダを段々と認めていくが、それが彼女の仕事への姿勢であるとかそう言う部分が伝わってこなかった。
物語の上で主人公に貢献するのは全て男性で、同僚の女性も馬鹿で嫉妬深く描かれているのも残念。ファッション誌の華やかな世界で働いているかっこいい女性はミランダと主人公だけなのかとなってしまう。

そしてラストで仕事の途中で抜けた主人公に対して、ミラー誌へ最大級の賛美を送るミランダも解釈違いだった。無理難題を押しつけて、出来なければクビ、仕事は誠実に丁寧にが信条の女性で、それが変わらないことを描いていたのに、最後の最後で主人公を認めて終わりがミランダらしくない。調べてみると原作版では全く違うラストらしく、私はそちらの方がミランダらしいラストだと思った。

全体的にオシャレで映像の華やかさも素晴らしく、何よりアンハサウェイが可愛い。見る時間やタイミングによっては楽しめたかもしれないが、令和の働く女性像ではないなと思ってしまったのが残念。
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