序盤の疾走感にはこちらも新しい仕事を覚える際の疲弊を感じた。そういう体験性も相まってキツい映画だった。
生きる手段である仕事に対して、我々は本当にその内容と向き合って考えないといけない。ファッション領域に放り込まれた主人公は次第に職場の価値観を内面化してしまう。クリエイティブのブラックさが日常の人間関係までも侵食していく。軽やかな音楽の流れる華やかな舞台の裏で、自我が擦れていく感覚を噛み締めさせられる。
そもそもファッション(流行)と感性ってなんなんだろうな。誰かの特異がプロモーションを通じて普遍になる。誰もがその才能に憧れを抱く。その繰り返し