Ren

プラダを着た悪魔のRenのネタバレレビュー・内容・結末

プラダを着た悪魔(2006年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

名作と言われる作品に限って後回しにしてしまうことよくありませんか??僕はやーーーっと観ましたこの作品。遅くなってすみません。誰に向けて謝ってるんだろう?笑

まず観た感想を直感で言うとすごく惹きつけられる作品だと思います。
なぜならば飽きさせないスピーディーな展開やファッションに疎い人でも魅力的に見えるファッションやアンハサウェイの可愛さ…などなど「ぱっと見の魅力」を兼ね備えているからです。

ではなぜ根強い人気がある(レビュー時の平均点は4.0)かというと、
①「仕事と家族などのプライベートはどちらが大事なのか?」
②「人生を決めるのは他人ではなく自分である」
など人生における重要な問いに対する答えがこの映画にあるからだと僕は考えます。

しかし普通のレビューをしても面白くないので、穿った見方をしていきたいと思います。

「この映画は仕事でサクセスする映画ではありません」
「仕事を辞める決断力を持つことの大事さ」を説く作品です。
この作品でアンドレアはかなり酷い環境で働いていましたが、夢のためと犠牲にします。普通なら倒れているか精神がまいってしまうと思います。
具体的には、アンドレアにはプライベートがありません。それに加えてパワハラとも取られかねないミランダの要求。弱音を吐くアンドレアに周りは「何百万人の憧れの仕事だし、辞めたいならすぐ辞めれば?代わりはいくらでもいる」とツッパネます。

どんな逆境においても跳ね除けて頑張って頑張ってって精神はすごくわかりますが、今の時代には合ってないと思います。
多分ここまで酷い環境で働く人はそんなにたくさんいないと思いますが、酷い環境でも頑張れ!のせいで亡くなった方もたくさんいるす。特に日本では。

最後にアンドレアは「自らの決断」で辞めます。この映画が言いたかったのは、どんなに酷い環境でも自分の決断を信じて人生を進みなさい。いやもっと正確に言うと「自分の人生は自分で決めなさい」です。
ここが一番の皮肉なのですが、「自らの決断」で辞めるために彼女が身につけたその決断力は、その劣悪な環境下における「仕事」を通してでした。

そうだったとしても彼女は気づけて良かったと思います。逃げてもその先で頑張れば人生は輝く、そう信じたいと僕は思いますし、そういう社会であってほしいというのが切実な願い。

「ひたむきに自分のプライベートを潰してでも全てを犠牲にすれば頑張ればサクセス出来る」と言う妄想に取り憑かれた人間たちやその被害者に送る、そこから「逃げる」という最高のオチ(解決策)を用意した素晴らしい映画だと僕は思います。
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