ぽてと

プラダを着た悪魔のぽてとのレビュー・感想・評価

プラダを着た悪魔(2006年製作の映画)
3.6
服を選ぶことは未来を考えること。
と、いつかテレビで見ました。
この映画はまさに「選択」が肝だと思いました。

何を考えてその服を着るか、価値観とは。
選択するならそれなりの知識、根拠と覚悟を示しなさい、選ばされる側でいるのは愚か、と。
そうは言っても難しいです。
人に選ばせる力のある世界のトップはシビアですね。
優れたデザインに無意味な装飾はない。

主人公のアンディはまず、ジャーナリストになる架け橋のためにまるで無知のまま興味もないファッション業界を選びます。
そこでアンディはミランダという女王様のような上司と徹底的に戦います。
根性と機転を生かし前に進んでいきますが、同時にプライベートが仕事に侵食されていきます。

そもそもどんな未来を想像しての選択の数々だったのか。
選んだつもりが、実はまた選ばされてないか。
考えに考えた選択にこそ価値は宿る。
もちろん行き着いた先で自分で選んだ自分に変わってもいい。

ミランダはアンディの未来の姿だったとしか思えません。そしてお互いがお互いの想像したもう1つの選択肢。
ミランダはプラダを着た悪魔を選びました。
優しさだけではきっと仕事は成り立たない…。
メリル・ストリープの孤高の演技には痺れました。

主人公役のアン・ハサウェイが愛らしく、本当にどんな格好も似合っててまぶしい。
でも途中のあの選択は人によっては胸糞かなあ。
しかし自分の経験を次へ生かさんと切り替えていく主人公の姿が共感を呼ぶのかもです。
先輩のエミリーに感情移入してしまう人も多いのでは。
ミランダの無理難題は見てて胃をキリキリさせるでしょう。
ぽてと

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