ロッツォ國友

バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2のロッツォ國友のレビュー・感想・評価

3.9
「2015年だって!?
……未来に来たな」


2015年4月21日の夕方(日本では22日)もとうに過ぎてしまったが、やはり色褪せない名作。

宙に浮くスケボーも、空飛ぶ車も、サイズを全自動で合わせる服も靴も無い(スケボーは技術的には可能みたい)が、指紋認証で家のカギや代金支払いを処理したりは現状で使われているサービスとほぼ一致するし、ツルツルなデザインの車も割と今の車と通じるところがある(トヨタのFCV ミライとかね)し、実現した?実現してない?といった答え合わせを楽しめるのも、未来に生きる我々にしかできないことだ。


アンティークショップにハコ型のコンピュータが置かれているのも、当時は「最新技術が中古店で売られてるよ!!」というギャグだったはずだが、今の我々には逆に違和感が無い。
この辺は、リアルタイムで本作を観た、つまりは1985年を生きていた世代とそうでない若い世代のコミュニケーションにも繋がるディテールではないだろうか。
ファミリームービーとしても優れていると改めて感じる。


さて、前作と異なり未来と過去と現在を頻繁に行き来したりとデロリアン大活躍の本作は、ストーリー上で起きる序盤の事件に関してはちょっとムリヤリ感を感じなくもないが、やはり進むにつれドンドン面白くなる!
引き込まれ方は前作以上のパワーがある。

だいたいの事件がドクとマーティの防犯安全意識の低さのせいなんだけど、話が面白いから文句ありません、はい。


また色々あってまた前作と同じ1955年に戻るのだけど、前作の時に戻ったマーティとドクとの絡まない絡みがまた超楽しい!
自分たちが起こした事件の結果を変えないように、ビフ側の起こす事件を揉み消す一種のワガママがこんなに大変だなんて!


前作の映像を使ったのか演じ直したのか不明だが、前作のマーティと今作のマーティが入れ違いながらのアクションは天才的ともいうべき絶妙さ。
前作リスペクトをキチンと残しながらそれに寄りかからない工夫が随所に見られる。


当然のことながら、CG技術は明らかに今の作品には劣っている。
でも、アクションのアイデアは今観ても本当に引き込まれるし楽しい。
映画でも、漫画でゲームでも何でもそうだけど、真に人の心に響かせる技術のある作品は、科学技術映像技術がどこまで廃れようと絶対に残るということだ。
1985年を生きた全ての大人が死に絶えても、この映画きっと残るし、残っていてほしいと思う。



明らかな次回作への繋ぎ(元々一本の予定が長過ぎたから切り分けただけとは言え)アピールも全然イヤミっぽくなく、一作品あたりの分量としてとてもちょうどいいと思ったし、やはりどこを切っても製作陣はテクニカルだなと思うわけであります。

二作目も本当に楽しかったです!
また、こやしだ!!
ロッツォ國友

ロッツォ國友