原作の映像化っていうより、映像としての映像っていう印象だった。
所々に映画ネタが盛り込んであって(内田百閒にツィゴイネルワイゼンとか……サラサーテの盤じゃなくて映画の方がネタ元なんだろうな)あーこの監督か〜!とか、この役者さんがこういう役〜!?とか、この人のこんな映像が観られるなんて……!みたいな楽しさはあると思う。
個人的に第九夜が一番好きだった。切ない。暗いけど第三夜も解釈がすごかった。実在の人物の生死の扱いとして不謹慎ではあったけど。
原作をけっこう読み返してるからか、どの話も原作で各夜が終わるタイミング以降の映像が、どうしても蛇足に思えてしまった。あ、続くんだ……的な。
新解釈というより、足し算して映像化した感じなのかな。各監督の個性を楽しむにはもってこい!な映画。