🪖タイトルが『The Sergeant 』で邦題が『軍曹』。そのまんまなのが笑えるが、本作は単純な戦争映画ではない。ロッド・スタイガー演じる軍曹(同性愛者)のしつっこさがなかなかインパクトのあるヒューマン・ドラマの佳作である。
🪖監督はジョン・フリン。後に『組織』や『ローリング・サンダー』といった男臭いアクション映画を撮る才人。この映画には一応原作小説があるらしく、脚本を書いているのも原作者自身なので「なぜここまで異色の内容を？」と観ていて不可思議に思う。とにかく主演のロッド・スタイガーがネチネチと若い兵士を追いかけ回すストーカーぶりが圧巻。
🪖どうもこのロッド・スタイガー演じる同性愛者の軍曹が、戦争中に敵国の兵士を素手で絞め殺したトラウマがあり、それを克服する為若い美貌の兵士をストーキングしているという設定のようだ。主人公が元から心を病んでいる辺り、やはりロッド・スタイガー主演の『質屋』が似た味。微妙にリンクするんですな。
💏今でこそLGBT映画は数多く作られているが、６８年という時代にこのような反・マッチョイズムな戦争映画が作られているのを見ると、やはりアメリカそのものがベトナム戦争を経過して厭世的なムードだったのだろうと言わざるを得ない。同じくゲイを描いたニューシネマ『真夜中のカーボーイ』とほぼ同時期の作品…。
たしかにクセは強いけど、観て損はしない硬派な映画なのでオススメですよ❗️
