【夢追人(ドリーマー)】
やっと観れました。これこそが「本物のハリウッド映画」である。暗い時代を明るく照らす一条の希望のような作品。本作はスピルバーグ流の私映画であり、映画少年がハリウッドの世界へとダイブしていく成長譚であり紛うことなき青春ストーリー。
気丈で人間臭い母、ミシェル・ウィリアムズと父のポール・ダノの演技が素晴らしく家族と映画に懸ける情熱の迸るスピルバーグ版『アメリカの夜』と言える作品だ。
主人公のサミー少年が初めて幼年期に観た映画はセシル・B・デミル監督の『地上最大のショウ』。この頃から運命の出会いといった感じでスピルバーグこそ第二のハリウッドの王様セシル・Bだったのである！
ラストでなぜかデヴィッド・リンチが演じる晩年のジョン・フォードの容姿が変なのだが、この出会いと奇跡の連続がやがてハッピーエンドへ結びつくハリウッド・マジックを堪能できる絶品のホーム・ドラマであり、スピルバーグによる映画業界への心からの賛辞と言えるかも知れない。🤔
ヤヌス・カミンスキーによる古き良きアメリカを映し取った映像も秀逸で、豪華絢爛なサクセス・ストーリーを華麗に彩っている。どこまでも「映画」を信じぬく男、それがスティーヴン・スピルバーグなのだ。そのピュアな志には涙を禁じ得ない。😭
決してスピルバーグのベスト・フィルムではないが、ここ最近の彼の中では一番面白かった作品である。金持ちのユダヤ人家庭描写がリアルで『ドライビング・ミス・デイジー』を想起させる出来。主人公のメガネを掛けた妹たちが可愛い💕
