スティーブ・マーティンにジャック・ブラック。
おまけにオーウェン・ウィルソンが共演というのだから、これはコメディ映画好きには堪らないキャスティングだろう。
だが映画はそれとはかけ離れたヒューマンなテイストに落ち着いてしまう。
1年をかけて北米大陸で見つける野鳥の数を競う大会。通称をザ・ビッグ・イヤー。
これに挑んだ3人の男たちの悲喜こもごもを描く。
笑えるシーンはあるのだが、終盤は探鳥家としてよりも家族としての顔が見えてくる。
自己申告というのがポイントであり、1年を費やすので仕事も捨てて金が使える人間が自ずと上位に来る。
優勝しても賞金がないというのに執着するのは、もはや趣味の領域である。
だがしかし普段見ることの出来ない鳥たちを観察できるのは見物。
雪原の梟や、わずかな温泉に休む鳥など爽快でもある。
3人のコメディアンとしては楽しめないが、ドラマとしては中々仕上がっているという奇妙な中身であった。
ちなみにコメディを期待した客とは層が違ったのか、アメリカでは大コケしたそうで。