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怪談のCiaのレビュー・感想・評価

怪談(1965年製作の映画)
4.2
撮影のほとんどがセット内で行われ、その広大なセットと前衛的な背景や色彩などから舞台を思わせるような雰囲気もあり、そこに古典とは相容れないと思われる武満徹の独創的で凄まじい音響が重なると、厳かで美しく空恐ろしい空気が漂う。まさに“世の狭間”に迷い込んだような。
とにかく武満徹の音楽音響は本当にカッコ良い。
加えて「耳無芳一」での鶴田錦史の「壇ノ浦」は圧巻。この「壇ノ浦」は武満徹依頼の下、鶴田錦史が琵琶の改造や奏法の開発までして作り上げたもので、その鬼気迫る琵琶は胸に迫るものがあり、思わず聴き惚れてしまう。
これが1965年の作品だなんて、本当に凄いと思う。
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