千年女優

ドラえもん のび太と鉄人兵団の千年女優のレビュー・感想・評価

4.5
ラジコンロボのミクロスをジャイアンとスネ夫に自慢された矢先に北極で見つけた謎の巨大ロボットを手に入れて無人の鏡面世界で満喫するのび太。謎の少女リルルとの出会いを経て、それが大量破壊兵器でロボット惑星メカトピアが地球侵略を企てていることを知った彼が、仲間と共に地球を救う過酷な戦いに挑む様を描いたアニメ映画です。

1986年に公開された『大長編ドラえもん』シリーズでも屈指のサスペンスフルな命のやり取りが行われるハードモードの物語で、人類史が積み重ねてきた業を突きながらも、それでも最後は人の心が勝つという希望の可能性を提示します。それを子供向けのアニメで描くというのは非常に難易度が高いのですが見事にコンパクトに描いています。

時に本作の弱点として指摘されるジュドの改造ですが、個人的には(作品として)賛成で、それが男子チームののっぴきなさを演出すると共にしずか&リルル展開を際立たせているし、リルルが求めた「自分にない」人の慈愛は説得でなく抜本的対応が不可欠だと悟ったからこそあの解決策に必然性が生まれ、ラストの感動の展開へと至っています。
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