ゴン吉

昭和残侠伝 一匹狼のゴン吉のレビュー・感想・評価

昭和残侠伝 一匹狼(1966年製作の映画)
4.0
高倉健主演、池部良共演の任侠シリーズ「昭和残侠伝」の第3弾。
佐伯清が監督を務め、藤純子がヒロインを演じ、扇千景、島田正吾らが共演。 

昭和四年の浅草で、関東島津組の親分が弁天一家の刺客・桂木龍三(池部良)に殺される。関東島津組の武井繁次郎(高倉健)は弁天一家の親分を殺して仇をとり、刑務所に服役。四年後、出所した繁次郎は亡き弟分の未亡人の加代(扇千景)と偶然橋上で出会う。繁次郎は佳代が不治の病に侵されて余命幾ばくも無いことを知り、彼女の父親である潮政一家の親分・秋津政太郎(島田正吾)のもとに彼女を送り届けるために銚子に近い漁港町にやってくる。そこで繁次郎は縁あって小料理屋の女主人・美枝(藤純子)の世話になる。しかし美枝は、四年前に繁次郎の親分を殺した龍三の妹で、龍三は川銀一家にわらじを脱いでいた。一方、川銀一家は銚子のマグロを独占するため、老舗の網元・濱徳を締め出そうと、その後ろ盾の秋津政太郎を射殺する……    

マグロが肉よりも安かった時代。
二人の漢がそれぞれ背負った義理と任侠のため、互いに相手の漢気に惚れながらもドスを交える。
そんな渡世の仁義が美しくも切ない。
クライマックスでは高倉健が背中に描かれた唐獅子牡丹を晒し、池部良とタッグを組んで大立ち回りを魅せてくれる。
「浜の大掃除させて貰いますぜ」
一方、藤純子が男くさい任侠ドラマに華を添え、ラストは切ない恋で締めくくる。
「もう一度 ここに帰っておいでになり 待っております」 

2024.4 BS12で鑑賞
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