くるみ

ヴェルクマイスター・ハーモニーのくるみのレビュー・感想・評価

4.5
和音の音が均一でなくとも、つまり不協和音があつまったとしても、平均的な所をとれば調和した音階を作り出せると…。(ヴェルクマイスター律は噛み砕くと多分そんな意味)

それを自国ハンガリーの歴史の一部になぞらえでいるのでしょうか 
東欧の小国が歴史の大きなうねりの中で異質である宗教、文化、人が、純粋な自国のものと混在し受け入れた結果今がある

突然やって来て町の秩序を乱す事になったサーカス団とカリスマ、プリンス。異様で受け入れ難くて、民衆は自らが生きる町を破壊しようとする

でもいつか平均律のごとく調和を見出したならやはり、ここで生きて行くしかないのだと、無力さ、諦観的な感情が町全体から滲み出ている

うわさの驚異の長回しは長く見つめてこそ伝わる事があるんだなと感じたし、ずっと忘れられそうにない、好きかどうかは別で凄い作品
くるみ

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