ジェイティー

ロッキー・ザ・ファイナルのジェイティーのレビュー・感想・評価

ロッキー・ザ・ファイナル(2006年製作の映画)
4.5
老境を迎えようとしているロッキーが胸に燻っているモノを全て吐き出すべく現役チャンプとのエキシビションマッチに挑むお話。

スタローンの代表作にしてロッキーがボクサーとして最後の戦いに挑むわけですが、本編でも現実でも言われている通り今更何を証明しようというのか理解に苦しむ人が多かったと思います。
現実世界では「まだやるの?」という気持ちもあったため、
舐めて観ているとドップリハマってしまうのが本作の魅力の一つです。

ロッキーがエイドリアンへの愛に溢れているところが精肉工場での件で垣間見えるのですがこの一途さこそ不器用であり実にロッキーらしくて
印象深いシーンです。
そしてスタローンがクリエイトしたキャラクターでも最高峰にいる
愛すべきクズ兄貴ポーリーもまた不器用であり、文句を言いつつもロッキーの傍にいる優しさもあったり魅力ある男です
ラストラウンドへ向かうロッキーにポーリーが「人生最後のラウンドだぞ!吐き出せ!!」と𠮟咤激励するシーンで終わってしまう感が一気に出て名残惜しいというかなんとも言えない気持ちで観ていました。

エピローグは最後のふさわしい幕切れでエンドロールは実に感動させられました。

シリーズを続ける是非を問うこともしばしばありますが、
時にはそんな理屈は抜きにその人物の物語の行く末を見届ける事もまた
意味はあると思います。
実際このあとに大傑作が生まれ、再びロッキーの人生を観ることができるのですからファンとしては大変嬉しいです。