カトリーヌ

ロッキー・ザ・ファイナルのカトリーヌのネタバレレビュー・内容・結末

ロッキー・ザ・ファイナル(2006年製作の映画)
2.0

このレビューはネタバレを含みます

一作目の感動は作品単体の魅力に加えて、スタローン自身の成り上がりという現実が重なる事で起きた。その観点で見れば今作も一作目を綺麗にトレースしており、「今さらロッキーかよ」という声は劇中と現実の両方にある。それに対するロッキーとスタローンの答えがこの映画なのだろう。ロッキーの人生、ロッキーという映画自体の集大成だから「ロッキー・バルボア」な訳で、邦題はナンセンス極まりない。

還暦目前でこれを作るのだから終わりなどあってないようなもので、仮に米寿の祝いに「ロッキー88」を撮っても不思議ではない。やりたい事をやる、あきらめずに立ち上がる、そのテーマの一貫性と行動力には敬意を抱くが、困った事に面白くはない。

素直に見ていた序盤には魅力的なシーンも散見された。相手役であるアントニオ・ターヴァーがかつてのジムを訪れて老トレーナーと語るシーンなどはとてもワクワクしたのに、その件は全くふくらまない。敵役は善人だろうと悪人だろうと魅力的でなければ。

仮に次にロッキーを見たくなった時は、キスにドキドキし、階段を駆け上りたくなり、試合前夜の告白に不安になり、何度も立ち上がる姿と音楽に涙した、そんな一作目を間違いなく見る。

全作を通じて一度も笑えなかったロッキーのジョークだったが、今回のジャマイカは大いに笑えた。狙いかどうかは別として。