鹿shika

ロッキー・ザ・ファイナルの鹿shikaのレビュー・感想・評価

ロッキー・ザ・ファイナル(2006年製作の映画)
5.0
アポロとの死闘の戦いから約30年。地元フィラデルフィアで、エイドリアンとレストランを経営していた。しかしエイドリアンは病気で他界し、息子も成人し疎遠に。そんな中、現世界ヘビー級チャンピオンと、レジェンドボクサーであるロッキーの試合が組まれることになり、、

まず、ロッキーシリーズの中でも今作は、最高に大好きな作品だ。
だから始まった瞬間から、目頭が熱くなって、自分の中の心が沸る音がした。

”オワコン”という言葉が、近年広まっているが、自分がそれかもしれないと感じている人には絶対に見てほしい作品だ。
そうじゃなくても、今までに何かを死ぬ気で頑張ったことがある人には、刺さりまくるだろう。

また、視点を変えれば、ロッキーとスタローンが重なる作品でもあるはずだ。
何歳になろうとも、自分と、応援してくれる周りのために、奮闘することは、
決して恥ずかしいことではないし、それが”エゴ”と言われようが、「良いじゃないか」と、
私たちの背中を押してくれる。
いや、背中をしっかりと支えてくれる作品だ。
そしてスタローン自身も、再ブレイクとなったきっかけの映画なのだ。


きっと私たちはポーリーのような人が多く、
ロッキーのような人は一握りだ。
近しい友達が、どんどんと成功し、何度でも立ち上がり、自分の尊厳を守る。
そんな姿を一番近くで目の当たりにして、うんざりするだろう。劣等感にも苛まれるはずだ。そんな友達の恩恵を受けるのも嫌になってくるだろう。
だからこそ、ポーリーがあの場で、酒に酔いながらでも「お前ならできる」と言い切れることが、素晴らしくカッコいいのだ。

リトルマーリーもそうだ。
「私は黙って見ているだけよ。でもあなたは人生の活力に満ち溢れている。
皆 情熱を持っていても、その炎を燃やせる人は少ない。
でもあなたはその機会を得た。燃やすべきよ。
昔も これからも、それがあなたよ。
他人に惑わされる人じゃない。
世間にどう映るかより、自分の信じる道かどうかよ。
ロッキー。これは自分の信じる道?
自分がそうしたくて、そうするべきなら、やらなくちゃ。
戦うのがボクサーよ。」

この言葉は誰にでも刺さりまくるだろう。
あの道端で不良少女だったリトルマーリーが、見ないうちに成長し、
ロッキーを優しく諭し、静かに道の入り口を綺麗にしてくれた。
ロッキーがいつでも走って行けるように。
もちろんリトルマーリーの人生が上手くいっているわけではないのにだ。

ロッキーを見ていると、いつも周りに恵まれていると感じるが、
これはロッキーがその期待に応えようと必死になってくれるからだ。
その期待を全て背負い、かっこよく前を走ってくれるからだ。
それも嫌味なんて感じないくらい、周りに敬意を払っているのを感じられるのだ。
ただの熱い男ではない。色んなことを経験し、愛と敬意を持って人の内側の心に訴えかけることができる人物なのだ。

だから最後にこれだけは伝えたい。
そう。あくまでボクシングはオマケなのだ。
ハハハハハハ

しかし一番好きなシーンはロッキーの登場曲が、フランクシナトラだったことだ。
ポーリー、、最後まで良いキャラしてるじゃねーか!
ポーリーはどんなに嫌なやつになろうと、こういう選曲にするあたりが憎めない要素なんだよな〜!
鹿shika

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