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ロッキー・ザ・ファイナルのコーヒーマメのレビュー・感想・評価

ロッキー・ザ・ファイナル(2006年製作の映画)
4.0
これほどの有終の美を飾った人気シリーズは他に存在しないのではないか。
迷走した時期もあり、紆余曲折した結果としてこれ以上ないほど見事な着地を成し遂げたスタローンに拍手!!!!

第一作から30年、前作から既に16年の時を経たことで、ロッキーはエイドリアンを亡くし、レストランで自らの過去の栄光を語り、そしてスタローン自身も代表シリーズを手放し、多種多様な作品に出演するようになっていた。
そして、新たに始まる挑戦、それは時の流れに逆らう無謀にもほどがある行動だけど、これまでと同じくロッキーは向かうべきゴールに向かって愚直に走ろうとする。
その姿も、「色々やってきたけど結局俺はこのシリーズを完結すべきだった」っていうスタローン自身の強い思いとリンクするものがあって感動は増幅する。

そして過去最高に良い味出してたのがエイドリアンの良き兄ちゃん、ポーリー!!!
工場をクビになって落ち込んでいるなかでロッキーに夢を託すシーンは涙無しには見られない。
多分、世の男はロッキーよりもポーリーのほうが断然多い。
人生やるか、やらないかの分かれ道で正直にやる方を選んだ人間はかなり少ないように思う。
だからこそ、長年の固い絆で結ばれたポーリーとロッキーの腹の底から共鳴し合う、会話のボクシングに感嘆させられるほかなかった。

そして肝心のファイトシーンも過去最高にアガる!!!!
撮影当時60歳とは到底思えないスタローンの完璧な肉体にまず驚いた!
どうやら、どぎついレベルのドーピングしてたらしいけど彼の場合、文字通り命を賭けて本作を最高の作品にする思いがあったんだと思う。
その熱意に呼応されるかのように相手役のファイトっぷりも超アツい!!!...と思ったら、彼は本物の世界王者だったんですね。笑
プロボクサーを起用して自分を殴らせるスタローンには本当に頭が上がらない。。笑

p.s.「ロッキー」シリーズを観てから再び「クリード」を鑑賞。改めて傑作だと確信!!!ロッキーとアポロの魂を受け継ぐアドニスの普遍的な葛藤に感動した。