MINAMI

緑の光線のMINAMIのレビュー・感想・評価

緑の光線(1986年製作の映画)
4.5
エリック・ロメール監督

自分に他者が入り込んでくる感覚というのは、時に絶頂の気持ちよさがあり、時に最悪のトラウマとなる場合がある。
その他者を、自分に取り込む(取り込める)度合いというものが人それぞれに存在している。

日常生活において、明確には分からないけど、感覚的に、この人とは2時間以上もひっきりなしに会話を続けられて、互いに目を見ながら自然な笑顔を見せつけ合うことができる。肌を触れ合わせても自然な感じがするし、なんなら一緒に眠ることも自然にできる気がする。(一緒に寝たいとすら思う)でも、あの人とは真剣に話をする事は愚か、内なるものを提示しながらコミュニケーションを取ることができない。
みたいな、そんな繊細で人間的なモノが美しく描かれていて、ロメールゥ…ってなりました。

またこの映画も生活の中に起きる”偶然”が描かれていてるところが共感できる。

デルフィーヌは駅で出会ったあの人と、日没を待ち、沈む夕陽に緑の光線を感じるのである!完!
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