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緑の光線のyuriaのレビュー・感想・評価

緑の光線(1986年製作の映画)
3.0
だって22歳だから、恋が出来ないと八つ当たりをするほど不満はないし、愛が足りなくて泣いてしまうほど暇でもない。課題やバイトに日々追われているし、デートの予定だってある。今のわたしにとって極自然に発生する必然的なものを、彼女はプライドの高さから自制して、年齢のせいにして弱気になり、内にこもってはお姫様と王子様の夢物語を夢想する。高校生に戻ってしまった女性の話だからこそ、今のわたしにとって観ていることがキツイ。彼女のそのふわふわと軽い乙女心が怖い。でもまだわかってあげられないからこそ、ごめんねって余計に余韻が残ってしまう。きっとわたしが30代になった時に観たら全く違う風に感じるんだろうなと思うと、楽しみで仕方がないな。だって絶対ティーンに戻りたくなるしなあ。でも、やっぱりあたしだったら、本を読んでいた時に突然「それドストエフスキーの『白痴』でしょ?」なんて声をかけられて恋が始まるなんて、背中がぞわぞわしちゃって嫌だなあ!
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