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ロジャー・ラビットのEditingTellUsのレビュー・感想・評価

ロジャー・ラビット(1988年製作の映画)
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Tuesday Academy Awards

Best Visual Effects
Best Film Editing
Best Sound Effect Editing

革命的な映画。ディズニーという数十年アニメ界のトップに君臨する会社が、この年に、ライブアクションとアニメーションの融合という偉業を成し遂げた。

今となってみれば、どこがすごいの?ってなりがちだが、今の技術とは全く違う技法で撮っているということは絶対に忘れないでほしい。
今の3Dアニメと実写の融合はほとんどすべてがグリーンスクリーンの前で実写が撮影され、実際の人間にモーショントラッキングをして、コンピューター上でバックグラウンドやアニメーションキャラクターを構築する。その技術に関して言えば、それはすごい技術が使われていて、PIXERとDisneyが毎作品革命を起こし続けている。

しかし、1988年はそんな時代ではなく、この作品のアニメーションはすべてパラパラ漫画で作られている。フレームごとにアニメーターがキャラクターを描き、それにマットと影とを加え、フィルムを重ねて作られた。24fpsを考えると、1時間でも86400フレームです。はぁ。すごい。でもこれは日本でいうと、ジブリスタジオやスタジオポノックが同じことをしている(、実はもっとすごいことをしているが)。
それに加えてすごいのは、アニメーションの動きに合わせて実際のものが動くということ。これどうやってしたの?って終始思って鑑賞したが、ビハインドシーンを見ると、仰天してしまった。なんでかって?まず、アニメーションの動きに合わせたロボットを作ったってこと。ほんで、パペッター(操り人形師)が天井裏からものを操る。本当に信じられない。並大抵のことじゃない。
さらに役者さんは、存在しないキャラクターとコンタクトしないといけない。Bob Hoskinsの目線の合わせ方がすごいのは言わずもがなだが、できるだけ実際に存在するかのように演技できるように、プリプロダクションチームとプロダクションチームが協力して、パペットを作り、リハーサルで実際に動かしている。さらに、声優さんたちをプロダクション現場に呼び、キャラクターと同じ衣装を着せて、カメラの後ろで同じ演技をしながら声を当てる。計り知れないビハインドシーン。必要があるの?って考えるかもしれないが、そこがディズニーなんかがこだわっているところ。本当に大事だと思う。

すごい偉業を成し遂げた作品。
これからも多くの人に見られるべきだと思う。
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