ごまだんご

ロジャー・ラビットのごまだんごのレビュー・感想・評価

ロジャー・ラビット(1988年製作の映画)
4.0
アニメと実写の融合映像が素晴らしい。今見ても全く違和感がないほどです。“ディズニー”という作品を飛び越えたある意味何でもアリな奇跡のような映画。少しアダルチックで怖いシーンもあるというディズニー映画としても貴重な作品です。
本作には東京ディズニーランドのテーマエリア“トゥーンタウン”のモデルになった“アニメタウン(この表記は日本版だけで、名前は普通にトゥーンタウンです)”が登場します。あのエリアを生み出した時点で今作はディズニーに素晴らしい貢献をしています。エリア内にはアトラクションもありますよね、“ロジャーラビットのカートゥーンスピン”ってやつ。このアトラクションは映画を見てると100倍面白くなるので、鑑賞してから乗るのがお勧めです。
…と、こんなことはどうでも良くて、今作の魅力を。
当時では大変珍しかった完全なるアニメキャラクターと人の共存を完璧に実現しています。“メリーポピンズ”や“ベッドとかざりほうき”でもアニメーションと3次元は同じ世界にありましたが、これらは平面的な登場方法でした。3次元ではなくて、2次元での登場ですね。しかし、今作のキャラクターは完全に世界の中に存在しています。カメラがぐるぐる回っても問題ありません。これは、過去作品と比べて圧倒的に進化した革命的な映像表現です。また、本格的にアニメキャラが物体に干渉しています。赤ちゃんキャラクターが実物のタバコを咥えたり、おちゃらけたウサギがガラスを突き破ったり。過去にも3次元に干渉した作品はありましたが、今作ほどのクオリティでは初めてです。
そんな映像表現が可能になったからこそ生まれる、人間とアニメキャラのドタバタ劇。アニメーションならではの誇張表現やアクションの数々。とても斬新であり、僕たちが完全にアニメーションと共存した気持ちになることができます。こんな作品はそうないです。
ストーリーは本格的なサスペンスものであり、一筋縄ではいかないストーリーです。大切な人に裏切られた喪失感や復讐に追われる恐怖。大人だからこそ楽しめる作品かも。セクシーなジェシカが登場するのも最高ですね。
様々な観点から見ても、唯一無二な作品であることが分かるでしょう。一度は見てほしい作品であり、ディズニーに抵抗がある人ほどお勧めな作品です。アニメーションが大好きになりますよ。
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