キミシマユウキ

トレーニング デイのキミシマユウキのレビュー・感想・評価

トレーニング デイ(2001年製作の映画)
4.0
ロス市警の麻薬取締課に配属された新人刑事ジェイクは、ベテラン捜査官アロンゾと組むことになったのだが、彼のやり方は非常に危険で…

『イコライザー』『サウスポー』の
!!アントワーンフークア監督!!
によるリアリティ溢れるLA刑事ドラマ
主演のデンゼルワシントンは今作でアカデミー主演男優賞を受賞!
ずっと観たかった奴をついにTSUTAYAでレンタルして鑑賞。

”狼を倒すには狼になるしかない”

やっとこさ見れた刑事映画の傑作。
バディを描く刑事ドラマは数多にあるものの、映画の進行と共に相棒との仲が決定的に引き裂かれていく映画はそうないだろう。
危険なロス市街で麻薬捜査官をやり通すには自分も悪に染まるしかない。そう言い聞かせる危険な香りがプンプンする先輩刑事と、理想と正義感で目がキラキラと輝いてる新米刑事の配属一日目のお話。
そう、この映画たった一日の出来事を描いているのだ!!嘘だろ!!!なんて濃い一日を過ごしてるんだこいつら!(笑)
実際のストリートギャングに撮影の協力を得て縄張りでロケしちゃうくらい監督も気合が入っているためロスのストリートが非常にリアルに映し出されている。
だから奴らの縄張りに足を踏み入れた時の緊張感は本物のよう!!とりあえずスペイン語は覚えておこう。

主演のデンゼルワシントンには珍しい役柄。
『マイボディガード』『クリムゾンタイド』のように正義の英雄役が多い彼が闇を抱えた悪徳警官を熱演!
アフリカ系黒人で史上二人目のアカデミー主演男優賞を今作で受賞してくれた!さすがインテリ系!!
彼もきっと根っからの悪人ではない、ジェイクのような熱血漢の時期もあったのだろうが、どこかで道を踏み外した…
ただ柄が悪いだけでなくそんな哀愁すら感じさせるデンゼルの演技が受賞するのは文句なし!『アイアムサム』のショーンペンもそりゃ負けます!!
新米刑事のジェイクにイーサンホーク。
『プリディスティネーション』くらいになるともうおっさんだが、この頃は純真無垢な若者の役がよく似合う。
『いまを生きる』のなんて可愛らしかったなぁ…。ただ終盤の彼の眼光はもうすでに新米なんかではなかった。
他にも何故か『エクスペンダブルズ』のテリークルーズがノンクレジットちょい役で出ていたり、スヌープドッグやドクタードレイなどのギャングスタラッパー達が普通に演技をしていてワラッタ。

正義とは、モラルとは、警官とは何かを考えさせられる素晴らしい作品
特典映像にあるもう一つのエンディングも結構好きだったのでまだ未見の方は是非

”羊を守るために狼になるんだ”

刑事ドラマ好き、アントワーンフークア監督作品好き、そして基本良い役ばっかのデンゼルワシントンが演じる悪徳警官が観たい方にはオススメの作品。