「ここは狼の土地だ」 byアレハンドロ『ボーダーライン』
ボーダーラインを観た後だと悪徳刑事アロンゾの「狼を倒せるのは狼だけ」という信念に妙に説得力を感じるというか、アロンゾを完全な悪だとは思えなくなるんですよね。スケールが小さいだけで。
本作、監督はアントワン・フークアですが、脚本・製作のデヴィッド・エアーの色の方が強いです。序盤なんてもろにエンド・オブ・ウォッチですし。
デンゼル・ワシントンは見事な喋り。もし自分だったらあの飴と鞭にすぐやられて言われるがまま、されるがままになりそう。イコライザーとは逆の、悪方面に人間力を発揮したらこうなりますよっていう素晴らしい演技です。サミュエルとこの人の会話劇が見てみたい。
ただ、イーサン・ホークはイマイチなんですよね…。最近の渋いイーサン・ホークの方が好きです。本作のイーサン・ホークはGTAの主人公みたいで個性が無いし、追い詰められてる感がイマイチ足りないんです。そこが残念。
ちなみにこの後、同じアントワン・フークア監督の「マグニフィセント7」でデンゼル・ワシントンとイーサン・ホークが共闘したのには燃えました。