【麻薬捜査官として配属初日に受けた研修が思ってたよりも壮絶で濃いー1日だった話】
イーサン・ホーク演じるジェイクはある日駐禁取締ばかりのお巡りさんから、出世街道コースの麻薬捜査官として抜擢された。
先輩捜査官はデンゼルワシントン演じるアロンゾ。
こいつが中々の切れ者。
我が物顔でLAの黒人街を練り歩き、悪に悪で対峙する。
ジェイクに今日はトレーニングするぞ!と言いつつも、実際に行われるのは汚職警官のあるあるオンパレード。
「長いものに巻かれろ」「郷に入れば郷に従え」などと言葉があるように、LA独特のdeepなやり取りに顔が引きつりながらも初めは受け入れるジェイク。
しかし、ところどころ見せるジェイクの正義感とアロンゾへの不信感から確執は広がるばかり。
圧倒的クレイジーさを発揮するアロンゾが、最もらしく行為の正当性を論じてくるシーンは"デンゼルワシントンが今まで積み上げてきた善人キャラ"があるからなのか。
鑑賞してる側も"何か裏があってのトレーニングに違いない!"と思わせてくる。
これぞデンゼルのアカデミー賞主演男優賞やオスカー俳優という圧巻の演技。
アロンゾ曰く狼になるか?羊のままでいるか?という点で狼には狼として戦う必要があるそうな。
これは分からんでも無い気持ちがある。それがまた恐い。
正義と悪の対比としての描き方もそうだが、この2時間に映されたお話は1日で起きたことである事を冷静に知ることになる。
それだけ当時のLAや、ブラックシーンにおける麻薬や犯罪は根深い。
別件で、同監督のクロッシングという作品を観たことがあるが、そこでのイーサン・ホークのヤサグレ警官はこのジェイクの成れの果てとしてのafter storyとしての立ち位置だったのではないか?とも思えた。