クリストフォルー

卒業のクリストフォルーのレビュー・感想・評価

卒業(1967年製作の映画)
4.5
『♪ダスティン・ホフマンになれなかったよ』と、苦い夢想を抱える男どもを大量に生みだした教会のシーンが嘘のように、この映画の本質は“恋愛映画なんてくそ喰らえ!”のアンチ・ラブストーリーだと思う。
スノッブな両親や大人たちを嫌いながら、優等生のレッテルに安住する青年・ベン。ミセス・ロビンソンとのアヴァンチュールも、彼のモヤった日常を変えてはくれない。美しく成人した幼馴染のエレインの涙は、彼の心に差し込んだ一条の光だった。
そこから、なりふり構わずもがき始めるベンの姿は、“アメリカン・ニューシネマ”の象徴となった。
愛の勝利なんて嘘っぱちだ!と嘯くようなエンディングの先に、私は、あの「アメリカン・ビューティ」を思い浮かべた。

“S&G”と出合ったのはいつのことだったろう?『四月になれば彼女は』はずいぶん練習した。歌はギターほど上達しなかったけど…。
クリストフォルー

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