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卒業のyu8cinemaあなたと映画のレビュー・感想・評価

卒業(1967年製作の映画)
4.0
『卒業』(原題:The Graduate)
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“迷い”
それがこの時代の若者の全てだったのかもしれない。
迷わず進み、疑いながら見守ったベトナム戦争。
それは、失望へと変わっていった。
若者の目にどう映ったのか。
ただ、その眼に映っていたのは紛れもなく全てを招いた大人たちだ。
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「アメリカンニューシネマ」
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時代が作った1つのジャンル。
その代表作である『卒業』はまさに“その大人と迷える若者たち”、“旧体制とそしてリベラル”、“男と女(社会的な立ち位置の違い)”をうまくそれぞれ登場人物に合わせて描いている。
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大人が迷わぬよう導こうとした“優しさ”であり“傲慢さ”が、皮肉なことに次の世代に“道に迷う”選択肢を獲得させた。
そして、幸いなことに僕たちはその変革の恩恵を受け、自由得る権利が当たり前になった世界で生きている。
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ただ残念ながら、またしても世界が僕たちと僕たちより下の世代に不穏な未来を与えようとしている。
僕たちはまたしても将来に対する不安を抱える。
それは、自分自身に対して。
そして、自分が生きる世界に対して。
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歴史から学ぶよう「アメリカンニューシネマ」から僕たちは次に生きるヒントを得られるかもしれない。
機会があればぜひチェックしてみてください。