トッド・ブラウニング監督のサイレント時代のミューズ、ブリシラ・ディーンとの初ヒット作。原題「The Virgin of Stamboul（スタンブールの乙女）」。

トルコの都イスタンブール。天真爛漫な物乞い娘サリ（ブリシラ・ディーン）は、アメリカの駐屯隊長ペムバートン（ウィーラー・オークマン）と出会い仲良くなる。ある日、彼が地元駐在員に「サリの物乞いを改めさせるためにモスク寺院で祈りの仕方を教えてあげてほしい」と話すのを陰で聞いたサリは、女人禁制のモスクに忍び込みに向かう。その頃モスクでは、ハーレムの長であるハミッド（ウォーレス・ビアリー）が主妻の不倫相手の男を待ち伏せしていた。刺殺の瞬間をサリに見られてしまったハミッドは、口封じのためにサリを母親から買って妻にすることを画策する。これを知ったベムバートン隊長はサリを守ろうと奔走するが。。。

エキゾチックな衣装美術が楽しめるヒロイン活劇。可愛らしいが野生児のようなキャラクターをブリシラ・ディーンが魅力的に演じていた。中でも沢山のハトの群れと遊ぶシーンは奇跡的に良く撮れていた。現存フィルムの状態が悪く、シナリオがやや説明不足に感じられたのが惜しい。修復版が出たら再評価されるだろう一本。

※本作完成後にブリシラ・ディーンとウィーラー・オークマンは結婚