adeam

グリードのadeamのレビュー・感想・評価

グリード(1924年製作の映画)
3.0
サイレント期のハリウッドを代表する巨匠シュトロハイムの代表作。
三人の男女を中心に、タイトル通り人間の強欲さとその愚かしさを描いた物語です。
長大な作品が大幅にカットされ、現存するのは監督の意に沿わないバージョンであると伝えられていますが、二時間程度で程良くまとまっているように感じました。
一度手に入れてしまうと、それが自分の手元を離れた時に嫉妬する。
いわゆる所有欲や独占欲がどのように人間に芽生え、育っていくのかを丹念に描き、その行き着く先では金など意味のない状況に陥っても執着を捨てられない、欲に支配された恐ろしくも哀れな姿を広大なデスバレーに映し出します。
短縮された名残りなのか、物語上の重要な展開を字幕での説明に頼り気味なのが残念でしたが、カット割とフレーミングは巧みで、ロングショットとクローズアップ、さらにはイメージカットまで組み合わせた映像的な語り口が素晴らしかったです。
adeam

adeam