スギノイチ

極悪拳法のスギノイチのレビュー・感想・評価

極悪拳法(1974年製作の映画)
2.5
渡瀬恒彦は早稲田の空手部主将であり、空手二段だったらしい。
その割には、空手をメインに据えた映画はこれと『学生やくざ』だけのようだ。
『学生やくざ』とは違いヒール寄りの役であり、レイプ的な事も平然とやってのける。
脇役がガッツ石松と沢村忠というリアル格闘家に囲まれているだけに、渡瀬恒彦の動きだけ見るとあまり強そうな感じがしないのだが、メンチ切った時の顔が怖すぎてビビる。

内用自体は、未ソフト化さもありなんという酷い出来で完全イロモノ映画。
小沢茂弘という監督は、石井輝男や鈴木則文の陰に隠れて結構とんでもない映画ばかり撮っている。
おそらく体術重視で選んだのだろうが、主要人物4人ぐらいを除くと全員の演技が下手。
逃亡した敵ボスの天津敏が素顔で手品の助手をしている(にこやか)など、ストーリーも滅茶苦茶。
突っ込みどころを挙げればきりがないし、とにかく無節操に格闘シーンをブチ込み、やたら血飛沫が出る。
終わり方も『激突!殺人拳』と全く同じやないか。

酷い映画ではあるが、芸能界最強筆頭候補が何人も出ているので、そういう意味では面白いかも。
ところで、作中でガッツ石松が数珠を繋げて剣にするのだが、この武器って実在するのだろうか。
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