このレビューはネタバレを含みます
ヒースレジャーの演技に引き込まれる映画。平たくまとめると、カウボーイ同士が恋をしてダブル不倫をし……なんだけど、鑑賞中はそんなこと過りもしない。
イニスがジャックの実家を訪問した時、お父さんから いつかイニスを連れてきて2人で牧場を再建すると聞いていたが、いつしかそれが他の男の名前になった と言われた時の、悲しそうなイニスの表情、なんとも言えない辛そうな表情のお母さんが印象深い。
お互いの本音やどうしようもない気持ちをぶつけながらも、抱きしめ合ったシーンから、まさかこのラストになるとは思わなくてショック。
ジャックの部屋で、自分とジャックのシャツが重なって吊るしてあるのを見つけた時の、嬉しいようなでも悲しいようなイニス。自分の家(トレーラーハウス)で、ひっそりジャックへの愛を誓うイニス。どちらも目がとても印象的、まさに目は口ほどに物を言う。
ジャックよりもイニスの方が愛が大きかったのかなと思った。もはや確認のしようがないけど。ジャックが亡くなってはじめて、愛を誓えたなんて、残りの人生どう過ごすのかと考えると悲しいけど
そこまで思える人を見つけられたのなら、その思い出だけであと何十年かを過ごせるものなのかしらとも思ったり。
お父さんもお母さんも、気がついてたんだよね。2人のこと。お父さんは、同性愛を認めてないのか、それともジャックの愛に応えきれなかったイニスを認めてないのか、どっちなんだろう。後者であって欲しいけど。
渦中にいるときは愛に気が付けないのかも。素直に受け入れられなかったり、しがらみに囚われたりしてしまうのかな。何回観ても泣く映画。
