やっぱりカルカン

ブロークバック・マウンテンのやっぱりカルカンのネタバレレビュー・内容・結末

3.7

このレビューはネタバレを含みます

【BS12 土曜洋画劇場】見たかった映画なので放送してくれて嬉しいです。134分の映画を150分の枠で放送していました。エンドロールの途中まで流れたので本編はほぼノーカットだったと思います。

ジャックは明るくて最初ボスの事務所で出会った時からイニスの事を意識してましたね。一歩踏み込んだのもジャックからでした。イニスは真面目で父親とのトラウマもあって最後まで自分がゲイだと受け入れられない様子でした。
2人の性格は正反対ですが表に出さなくてもお互いを強く想いあっていました。素直に純愛だと思いましたが、原作者はそのように言われるのは心外だと語ったそうです。

家庭を持ったり他の男と関係を持ったりして到底純愛とは思えないと考える方もいらっしゃると思いますが、あの時代では表向きの彼女や家庭を持ってカムフラージュするのは当たり前ですし劇中でもジャックが「俺はお前と違って(性的欲求が)我慢できない」と言っていました。
男女関係なく性的欲求には個人差があると思いますし、この2人は強く愛し合っていますが生き方や考え方の方向性が全然違うので行動がチグハグになってしまうのは特別おかしな事ではないと思います。また、本当に愛しているのは1人だけでその相手がどうしても頻繁に会えない状況を考慮すると他の相手で欲求を満たすのも仕方がなかったと思います。

男女のカップルでも好きだけど喧嘩ばかりしているような、価値観が合わない人や好きになってはいけない人を好きになってしまう事はありますよね。この映画もただ男同士のカップルというだけで本筋はそういった一般的なラブストーリーだと思います。
死因については話が別で、当時の同性愛者差別によって殺されたので現代に出逢っていればなにも殺されるまでの事はなかったのに…と切なくなりました。

余談ですがテレビではおっぱいにはモザイクなし、川に飛び込むシーンのイチモツにはしっかりモザイクが入ってましたね。
映像が綺麗で大自然の美しさに惚れ惚れします。特に綺麗だったシーンは苔むした地面を馬に乗って進んでいる姿が足元から下だけ映っていて、一歩一歩踏みしめるごとに地面に蹄がめり込んでふかふかした苔の柔らかさが画面から伝わってくる所です。美しすぎて心が躍りました。