芋

ブロークバック・マウンテンの芋のレビュー・感想・評価

3.7
同性愛嫌悪は当事者だけでなく周囲の人々も不幸にさせることや、セクシュアリティの流動性が描写されている点が良かった。主人公を批判する感想が多いのが異性愛&モノガミー規範の強さを物語っている。一方で、セクシュアリティの流動性の描写やバイ・パンセクの表象があるクィア作品(本作やムーンライト、モアザンワーズ等)が、普遍的な愛の物語として受容され、同性愛が透明化されているのは如何せん納得がいかない。ゲイにとっては普遍的でも、ヘテロにとっては違うだろうと毎回思っている。野性的なセックスや過激なスキンシップからの殴打は、禁忌とされていた男性への欲望が臨界点に達した瞬間である
本作を多感な時期に観ていたら大ダメージをくらっていた気がするのでタフな精神状態の現在に観て良かった。このラストシーンがすべて。しかし、それまでの2時間を耐えた褒美にしては少なすぎる
芋