監督のアンドリュー・デイヴィスは「沈黙の戦艦」(1992年)、「逃亡者」(1993年)、「コラテラル・ダメージ」(2001年)とサスペンスドラマにアクションを取り入れた作品が多い。どれも個性的な主人公が信念を持って活躍する姿を描いたものだが、今回の作品はその辺のインパクトが薄く感じられた。
夢のエネルギー開発をめぐる陰謀を描いた作品で、開発の中心人物である博士の殺害を疑われた主人公が、FBIやその黒幕から追い詰められるお話だが、そのFBIや黒幕の迫力もいまいちだし、モーガン・フリーマンが主人公よりなのか、それとも悪役なのかどっちつかずの中途半端な立場がよくなかったかもしれない。
それでも劇中には、誰でもどこかの映画で一度は見かけたことがあって、名前は出てこないが見覚えはあるという名脇役が続々と出演しており、その豪華な顔ぶれが揃ったことだけも観た価値はあった・・・と思いたい。